最近読んだ本の記録
星を掬う|町田そのこ
あらすじ
小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。その後、私は、母に捨てられた――。
星を掬う あらすじ
主人公は「千鶴」。小学1年で母が失踪。「母のせいで」「母さえいれば」と自分の運命を呪いながら生きる29歳。元夫のDVに肉体的にも経済的にも苦しめられている。
苛烈さを増すDVに命さえ脅かされる日々。千鶴はシェアハウス「さざめきハイツ」への避難を決断し、そこで母「聖子」と再会する。母はかつてのおもかげもなく、さらには若年性認知症を患っていた…!
千鶴と聖子、容姿端麗な美容師「恵真」、介護施設で働く「彩子」。4人の奇妙な共同生活が始まる。
母娘関係の「呪縛」や介護問題、義理の実家との確執、DV。女性にふりかかる困難や葛藤、そして雪解けの一つの形を描いた作品。
感想|強烈だからこそ難しい母娘の関係
いろんな母娘がでてきます。母と娘って同性だからこそ、距離が近いからこそ難しいですよね。道しるべになってあげたいけど、支配的になってはいけないし。子供の意思は尊重してあげたいけど、放任もまた違う。
「私のせいでごめんなさい」と母に謝ってほしい、「もっと私を見て!」と体当たりでぶつかってみたい。そんな気持ちは私にも分かる気がしました。
だけど「私の人生は私のもの」。幼少期の苦しさや哀しさに縛られず、自分の人生の落とし前は自分でつけようね、というメッセ―ジを強く感じる作品です。
母娘の関係と認知症については、少し美しくまとまりすぎている気もするけど、「星を掬う」というタイトル通り、登場人物のそれぞれが小さな人生のきらめきを拾い上げ、幸せに向かっていこうとする姿には背中を押されます。
母子関係つながりでは、もっともっとやるせない気持ちになりますが、こちらも面白いです。
マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ|古内一恵
がらっと変わって「美味しい小説」好きにおすすめの一冊。特に薬膳系に興味がある方は面白く読めると思います。
夜食カフェを営むドラァグクイーンが主人公、というとドギツイ印象になりますが案外ほっこり人情系です。
【「美味しい小説」といえば】さんかく|千早茜
「美味しい小説」といえば千早茜さんの「さんかく」も。
さんかくは「おにぎり」だったり「三角関係」だったり。登場人物3人(女性2人、男性1人)の関係は見ようによっては結構どろどろなんだけど、お料理がふんわり上品なのでまったり読めます。
これから読む本|古代中国の24時間
今から2000年前の人々はどんな暮らしを送っていたのか?歴史はからしきダメですが、こういう生活史には興味があります。
夫も好きそうだったので、久しぶりに紙媒体で購入しました。
人気なのか1週間前に注文したのにまだ届かない。早く読みたくてうずうずしています。
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