今年の目標の一つ。読書を月に2冊、映画を月1本。
自分の興味のおもむくまま、本を読んだり、映画を見たりできればそれが理想ですが…。仕事や家事・育児に追われる今は、なかなかインプットの時間がとれません。
隙間時間を実用的なこと(洗濯や食器洗い、仕事の準備など)に充てるばかりでは、どんどん心がささくれだっているようで。時には意識的に手を止めて、本や映画の世界を旅することが出来たらな。
ということで、1月に読んだ本、見た映画の記録です。
82年生まれ、キム・ジヨン
韓国で社会現象を巻き起こした小説。
あらすじ
33歳の「キム・ジヨン氏」の半生(幼少期、受験、就職、結婚、出産)が克明に語られます。建前上「男女平等」の社会に当然のように潜む困難、差別…。「こういうものだから仕方ない」と淡々と受け流し、対応しているように見えるキム・ジヨンですが出産・育児を機に心のバランスを崩してしまいます。
感想
「キム・ジヨンは私だ」と感じた女性は多いはず。
ちょうど、医大の女性差別問題や「ゆるふわ女医」(育児などを理由に時短勤務を選んだり、当直をしなかったりする女医のことらしい…。まさに私ですが。)への反発が話題になっていたこともあり、関心の深いテーマでした。
こちらの記事にも少し感想を綴っています。
去年の冬、君と別れ
2014年に本屋大賞にノミネートされ、ベストセラーとなった小説「去年の冬、君と別れ」。 2018年には岩田剛典さん主演で映画化もされています。
あらすじ
ふたりの女性を殺害した猟奇殺人犯を取材をするライターの「僕」 。取材を進めるにつれ明らかになる事実、事件の真相は…。
感想
序盤からひきこまれ、一気読み。悲しいミステリーです。
登場人物のほとんどが歪んでいますが、もともと人を傷つけようとする意志があるようには感じませんでした(それぞれの世界でそれなりに生きている)。しかし、ちょっとしたボタンの掛け違いによって狂気が暴走し、悲劇が起こってしまう…。
伏線がきれいに回収され、ミステリーとしてはスッキリ。「姉」の内面や、容疑者のカメラマン木原坂雄大の撮る写真についてはもう少し描写が欲しかったなと思います。
トリックは「被害者の目が見えない」ことが鍵になるのですが、これをどうやって映像化したのでしょうか?映像になったらトリック見えちゃうよね?そういう意味で映画も気になります。
小説自体は短いので手軽に読めるはず。
余談ですが、 こういう余韻のあるタイトル、とても好み(タイトルの意味も本文で回収されます)。余韻タイトルつながりで思い出したお気に入りの小説がこちら。
沼田まほかるさん、大好きなんですが作品数が少ないんですよね。ほぼ全部読んでしまって、時に寂しく思います。
日々是好日
娘の入園グッズをチクチクしながらのんびり鑑賞。
黒木華が演じる「典子」が、「お茶」を通じて成長していく24年間が淡々と綴られます。
就職の挫折や婚約者の裏切り、肉親の死などショッキングな出来事は多々あり、典子もそれなりに感情を乱しているのですが…。映画全体のテンションは一貫して落ち着いていて、人生という大きな流れに身を任せなさい、というメッセージを感じました。
樹木希林さん演じるお茶の先生のセリフ「こうして毎年、同じことができることが幸せなんだって」という言葉がやはり印象的。
「諸行無常」「一期一会」な人生であるからこそ、「日々是好日」。 あるがままを受け入れ、生活の中の小さな幸せを大切に。バタバタと足掻く様に暮らしがちな私には刺さりました。
これも原作があるんですね。知らなかった。
以上、1月の読書・映画の記録でした。
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