2021年の面白かった本、これから読みたい本。備忘録を兼ねてまとめてみました。
2021年 面白かった本
「国宝」 吉田修一
今年一番面白かった本。口上のような特徴的な文体の効果もあり、久しぶりに没入感を味わった作品です。
「国宝」吉田修一 あらすじ
主人公の立花喜久雄は極道の跡取り息子。天性の美貌と舞いの才能を持つ。
14歳のとき抗争で父が殺され、喜久雄は上方歌舞伎の名門「花井半次郎」のもとに預けられる。そこで出会ったのが花井家の嫡男として生まれ育った俊介。
二人の天才は栄光と絶望の中、切磋琢磨しながらひたすらに芸道を極めていく…。
「国宝」吉田修一 感想
大河ドラマのような濃密な物語です。
登場人物が目の前で動いているような鮮やかな描写に、ページをめくる手が止まりませんでした。
極まっていく芸と引き換えに忍び寄る狂気。だけど、究極の芸さえできれば何もいらない、というのが芸術家なのかもしれませんね。
心にズドンとくる結末ですがある意味ハッピーエンドなのかな…。
歌舞伎について知識があればもっと楽しめたかも、というのがただただ心残り。教養が人生を豊かにするってこういうところですよねぇ。
「猫鳴り」 沼田まほかる
こちらも好きでした。
猫の「モン」と人間の関わりが描かれた連作短編のような感じかな?
沼田まほかるさんらしからぬ(?)穏やかな物語ですが、どこかしら切なさやもの悲しさも感じます。
これで沼田作品は全部読んでしまっていて。おそらくこれから新刊も出ないのがとても残念。
映画化された「彼女がその名を知らない鳥たち」のほか「九月が永遠に続けば」や「アミダサマ」も大好きです。
「A2Z」 山田詠美
久しぶりの山田詠美さん。
山田さんの描く女性はとにかくスタイリッシュでかっこいい!都会でバリバリ働く女性が登場することも多く、憧れます。
「A2Z」は一言でいうと「W不倫」ものなのですが、全編通してどこかあっけらかんと爽やかな雰囲気。
ドロドロ感が少ない(というか、ほぼない)ので、さらっとお洒落な大人の恋愛が読みたいときににおすすめ。
軽やかに描かれる、恋と愛、恋愛と結婚の違いをお楽しみください。
これから読みたい本
これから読みたい本としてリストアップしているのがこちらの3冊。
「星を掬う」は母と娘の擦れ違いがテーマとあって、一番気になっています。
今年中に読めるといいなぁ。
2021年は140冊の本を読みました
漫画も含みますが、2021年に読んだ本は約140冊。
妊娠もあって、なかなか本屋さんに行く時間が取れず、その分「あ、これ読みたい」と思った瞬間に購入できるKindleにとってもお世話になりました。
一方で「これは面白かった!」と思った本(冒頭の『国宝』とか)は紙ベースで残して、いつか子どもたちに読んでほしいなと思ったり…。
デジタルとアナログ、皆さんはどう使い分けてますか?「これいいよ」という方法があれば是非教えてください(^^)
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