3歳の冬。
少しずつ、長めのお話も聞けるようになってきました。この冬よく読んだ、娘のお気に入り絵本をいくつか紹介します。
季節を感じる|「冬」の絵本
おもちのきもち|かがくいひろし
「だるまさんシリーズ」で有名なかがくいひろしさんの絵本。
書誌情報
著者:かがくいひろし 出版社:講談社 出版年:2005年 定価:1500円+税 ページ数:24ページ
あらすじ
お正月の人気者と言えば「おもち」!だけど「おもちのきもち」になってみると…?
ペタンペタンと頭をたたかれ、ちぎられ、丸められ、食べられ…実は結構大変です。この本の主役は「かがみもち」。大切に床の間に飾られていますが、「いつ食べられるのやら」と不安でたまらず、とうとう家から脱走してしまいます。
走って疲れて、お腹が減って、自分の体を食べてみると、あら美味しい!夢中で食べているうちに段々体が固くなってきて…?
かがくいさんらしいユーモラスな展開に注目です。
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おもちのきもち
感想・娘の反応
ダイナミックな絵と奇想天外な展開が娘に大うけ。特にびよんびよーんと「かがみもち」が走るシーンはニコニコしながら聞いてくれます。
親子で楽しく読める一冊。
てぶくろ|ウクライナ民話
書誌情報
著者:ウクライナ民話(訳:内田 莉莎子) 出版社:福音館書店 出版年:1965年 定価:1000円+税
あらすじ
雪降る森をこいぬと歩いているおじいさん。てぶくろを一つ、落として行ってしまいます。
そこに、ねずみやかえる、うさぎ…。次々と動物たちがやってきて、てぶくろをお家にしてしまいます。おおかみやいのしし、大きめの動物も「入れてくれ」とやってきて、手袋はもうぎゅうぎゅうづめ。
最後にやって来たのはくま!「ほんのはじっこにならいいですよ」とギリギリ中に入れてもらいますが、てぶくろは今にも弾けそう!
そこへおじいさんとこいぬが手袋を探しに戻ってきて…?「わんわん」と吠える犬にびっくりした動物たちは散り散りに森の中に逃げていきます。
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てぶくろ
感想・娘の反応
発行年1965年!世界中で長く親しまれている絵本です。小さいてぶくろに、どうやってこんなに沢山の動物たちが入るのかしら、と想像するのが楽しい。
娘は「くいしんぼねずみ」「ぴょんぴょんかえる」など、動物につく形容詞が面白いようで。時には「くいしんぼ○○ちゃん」「ぴょんぴょんママ」と、名前を変えて読んでほしい、というリクエストも。
てぶくろに、窓がついたりドアがついたり、段々家らしくなっていくところや、ぎゅうぎゅうに並んだ動物たちの様子も楽しい一冊。
最後は犬の鳴き声でパッと終わり、物語の余韻が残ります。
くまのアーネストおじさん|かえってきた おにんぎょう|ガブリエル・バンサン
書誌情報
著者:ガブリエル・バンサン(訳:もり ひさし) 出版社:BL出版 出版年:1983年 定価:1300円+税 ページ数:27ページ
あらすじ
やさしいくまのアーネストおじさんと暮らしている、ねずみのセレスティーヌ。
冬のある日、散歩にでかけたアーネストとセレスティーヌは、お気に入りのお人形「シメオン」を落としてしまいます。探しに行こう!とごねるセレスティーヌですが、外は雪。「明日探そうね」と優しくなだめるアーネスト。
セレスティーヌが眠りにつくと、アーネストはこっそり夜の道を探しに行きます。 見つかったシメオンはひどく壊れていました。 セレスティーヌを慰めるため、色んなぬいぐるみを買って帰りますが、もちろんシメオンの代わりにはなりません。
落ち込むセレスティーヌを見ていたアーネストにある名案が浮かびます。セレスティーヌに絵を書いてもらって、新たにシメオンを作り直すのです。沢山のぬいぐるみは、クリスマスパーティーを開いてご近所の子供たちにプレゼント!
アーネストの深い愛情を感じる一冊。
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くまのアーネストおじさん|かえってきたおにんぎょう
感想・娘の反応
とにかく絵が素敵。アーネストやセレスティーヌの生き生きとした動きや、優しい水彩画のタッチは、一ページずつ切り取ってお部屋に飾りたいと思うほど。二人の部屋の家具や着ているお洋服もとっても可愛いです。
物語も、愛にあふれていて私も娘もお気にいり。この冬、何度も何度も読みました。
ところで、どうしてくまとねずみが一緒に暮らしているの?という馴れ初めは映画にもなっているようです。2012年カンヌ国際映画祭にも出品された作品。Amazon Primeでも見ることが出来るので、今度娘と見てみよう~。
他のシリーズも少しずつ集めていきたいと思っています。
ゆき|ユリ・シュルヴィッツ
書誌情報
著者:ユリ・シュルヴィッツ(訳 さくまゆみこ) 出版社:あすなろ書房 出版年:1998年 定価:1300円+税
あらすじ
「ゆきがふりそうだよ!」男の子が声をかけますが、大人たちは誰も本気にしません。ニュースの天気予報も「ゆきはふらないでしょう」と言っています。
だけど、いつの間にかはらはらと雪が舞い始めて…町は一面雪景色。
「ゆきがふってるよ!」とウキウキと踊るように、雪を楽しむ男の子です。
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ゆき
感想・娘の反応
雪を楽しみに待っている男の子と、雪が降っては困る大人たち。こういう状況、あるある。
いざ雪が降りはじめても「大したことない」とあしらう大人たちに、何度も「ゆきがふってるよ!」と呼びかける男の子の嬉しさや高揚感がいじらしくて胸がギュッとなりました。
ひとひらひとひら舞う雪や、しんしんと積もる雪の書き分けも見事です。
積雪は数年に一度、の土地に住んでいるので、雪降る街の様子を娘に教えてあげたくて読んでみました。ワクワクする雰囲気や美しさが伝わったかな?
どんより曇っていた町が、物語の終盤、雪が積もるころには晴れ晴れと青く澄んだ空に包まれているのも爽快。
同じ作者の「よあけ」という作品も評価が高く気になっています。
その他、娘(3歳)のお気に入り絵本
14ひきのあさごはん
書誌情報
著者:いわむらかずお 出版社:童心社 出版年:1983年 定価:1300円+税 ページ数:32ページ
あらすじ
森で暮らしている14ひきのねずみの家族。朝、一番早起きはおじいさん。順番に、子供たちも目を覚まします。
一日の始まりの、最初にするのは朝ごはんの準備。野いちごを摘みに行く子供たち、どんぐりのパンを作るおかあさん、きのこの入ったスープもあります。
子どもたちが帰ってくると、みんな一緒に楽しい朝ごはんが始まります。
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14ひきのあさごはん
感想・娘の反応
「14ひきの○○」シリーズデビュー!すぐに娘のお気に入りに。
絵の書き込みがとても細かく、ストーリーに関係ない部分も「この子は何をしているのかな?」と楽しめます。
特に、野いちご摘みに出かけた子供たちはこけたり、とげが刺さったり、お母さんが恋しくなって泣いたり…とよく見るとそれぞれドラマがあるようです。クライマックスの朝ごはんのシーンではジュースをこぼしていたり、ジャムを取り合っている子も書かれていて微笑ましい。
娘は美味しそうな朝ごはんのメニューが気になって仕方がない様子。「こんな朝ごはん作って~」とお願いされました。
夜明け~早朝の光の変化が色彩で表現されているのにも注目。
くだもの
書誌情報
著者:平山和子 出版社:福音館書店 出版年:1981年 定価:900円+税
あらすじ
スイカやもも、さくらんぼ美味しそうなくだものが次々に登場します。
皮をむいて、一口大にカットしたら「さぁ、どうぞ」。バナナは自分で剥けるかな?
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くだもの
感想・娘の反応
何度か保育園や図書館で借りたことのある絵本。本屋さんで見つけた娘が「買って~」と持ってきたので購入しました。
ストーリーというより目で見て楽しむ絵本で、1歳くらいの小さなお子さんにも喜ばれると思います。
絵と文がしっかり対応していて展開が単純なので、娘も最初から最後まで、話を覚えて朗読ごっこをしてくれます。購入時「わざわざ買うこともないかな(対象年齢過ぎてる?)」と思ったのですが、案外こういうことがきっかけで、文字が読めるようになるのかもしれませんね。
子供が「読みたい!」と思う気持ちには何でも応えてあげようと思った次第です。
子供と楽しむ絵本の世界
今年は暖冬ということもあり、冬らしい景色を見せてあげることが出来ませんでした。せめて、絵本の中で体験できれば、と季節感のある本を意識的に選んでみたら、こんなラインナップに。
娘は雪への憧れが一段と膨らんだ様子。来年は一緒に雪遊びしようね。
自分が小さいころに楽しんだ絵本(14ひきシリーズなど)を、娘が気に入ってくれたのも嬉しかったです。
長いお話が聞けるようになってきて、親はちょっと大変ですが…。子供の感情や想像力を育む最高の知育として、親子のコミュニケーションの場として、これからも読み聞かせを続けていこうと思います。
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