娘の読み聞かせ。
ちょこちょこ気に入ったものを買っているのに加え、幼稚園の配本サービスも頼んでいるためどんどん増えて、記録しきれなくなってきました。
幸い、娘も絵本大好き。最近はひらがなが読めるようになり 自分で音読したりしている姿も微笑ましいです。
今日は最近読んだ絵本の中から、特に「絵」が素敵だな、と感じている作品をいくつかご紹介します。
「絵」に惹かれる作品
野のはなとちいさなとり
書誌情報
著者:マカベ アリス
出版社:ミルトス
出版年:2017年
定価:1500円+税
あらすじ
友達のいない。恥ずかしがりやの一羽の小鳥。
ある日、誰もいないところでこっそり歌ってみると、きれいな花が咲きました。歌う小鳥、咲き乱れる花。
そして小鳥はとうとう花の向こうに、もう一羽の小鳥を見つけて…。
美しい刺繍の世界
挿絵が全て刺繍で仕上げられた美しい絵本。
作者のマカベ アリスさんはもともと刺繍作家・講師としてご活躍で、図案集なども出版されている方です。
どこか詩的な文章と、一針一針美しく仕上げられた小鳥や野に咲く花、植物たちが相まって、遠く彼方のきれいな世界を旅したような、うっとりした気分にさせてくれる作品です。
娘もお気に入りの一冊。
やねうらべやのおばけ
書誌情報
著者:ふるたに まみこ
出版社:偕成社
出版年:2020年
定価:1200円+税
あらすじ
古い家の屋根裏部屋で暮らしている一匹のおばけ。長い間、ほとんど外に出ることなく過ごしてきました。でもある夜、きれいな月にひかれて外に飛び出し、家の周りを飛んでみたら…。次の日から同じ家に住む女の子が屋根裏部屋にやってくるようになりました。
自分の住処に入ってこられちゃ困る!と女の子をおどかすため、あれこれ考えるおばけですが、ちっとも動じない女の子。結局、おばけは女の子の部屋を自ら訪れ直談判することに…。
さて、二人の行く末は?
木炭鉛筆で緻密に描かれるモノクロの世界
モノクロ&静謐な絵柄なので怖い話かと思いきや…最後はほっこり。ちょっと怖がりなおばけと、動じない女の子のコンビが可愛らしいお話です。
絵本の帯に「ともだちができる瞬間って、こんな感じだ。」とあるのですが、まさにそんな、ちょっと甘酸っぱくてドキドキソワソワしてしまう懐かしい気持ちを思い出させてくれる作品です。ちょうど、娘も幼稚園で新しいお友達と出会うタイミング。絵本とシンクロする部分があったのではないかと思います。
ストーリーもとても好きなのですが、この絵本の魅力はやっぱり「絵」!木炭鉛筆でびっしり描き込まれた絵柄が醸す独特な世界観を是非味わって頂きたいです。モノトーンなのに、おばけのつるんと透明な感じや女の子の髪や頬の柔らかな質感が表現されていて、思わず「どうやって描いているのかなぁ…。」とじーっと観察してしまいます。
ちょうど、ジュンク堂本店で作者のふるたにさんの原画展が開かれているようなので、ご興味のある方はぜひ。(2020年11月1日(日)まで)
同じふるたにさんの「そらからきたこいし」もお気に入り。こちらの作品も満天の星空や立体感のある石の表現が圧巻です。
不思議な石をめぐるスケールの大きい作品なので、「やねうらべやのおばけ」より少し大きい子向けかな。
よあけ
書誌情報
著者:ユリ―・シュルヴィッツ
出版社:福音館書店
出版年:1977年
定価:1200円+税
あらすじ
湖のほとり。ゆっくりと明けていく夜…。
空がだんだんと色づき、いよいよ日が昇った瞬間…はっと息を呑む光景が水面に広がります。
静かに明けていく夜
寝室に朝日が差し込むと「もっと寝たいのに明るくしないで~!」と怒る娘に、「日が昇る」という感覚を教えてあげたくて選んだ絵本。
湖のほとりにだんだんと光が広がっていく様子が描かれた静かで美しい作品です。
作者はポーランド人ですが、漢詩がモチーフになっているんだそう。
最後のページ、はっとするような「よあけ」の瞬間をじっくり味わってください。
アーネストおじさんシリーズ
最後になりましたが、私も娘もお気に入り。シリーズで揃えている「くまのアーネストおじさん」も絵がとっても素敵。
水彩画の美しいタッチと、登場人物たちの豊かな表情は繰り返し読んでも飽きない魅力があります。
そろそろクリスマスシーズンのお話を買い足そうかしら…。
美しいものに触れる
子供を育てていく上で、「美しいものに触れる」チャンスは積極的に増やしてあげたいものの一つ。
絵本は一番手軽にそれが叶う方法なんじゃないかと思います。美術館に毎日通うのは無理だけど(毎週末だって難しい)、絵本なら毎日読める!
柔らかな感性を持っている幼児期に、しっかり絵本と触れあって欲しいな、と思っています。
コメント