kindle読書、はかどっています。
防水なのでお風呂で読めるのが嬉しい。また、スマホの光より目に優しい設計なので、長時間読んでも疲れません。
8月に読んだのはこちらの7冊。
8月の読書記録
ホームスイートホーム|桐島かれん
モデルの桐島かれんさんの愛用の品々(世界各地の手仕事や工芸品、日々愛用する生活雑貨、希少なアンティークなど)が家族の思い出と共に綴られた本。
フォトグラファーはかれんさんの夫でもある上田義彦さん。
単なるモデルブックと侮ることなかれ。写真も文章も非常に美しく、紡がれる世界観に終始うっとりでした。古いものや、エスニックなものが入り混じっていても不思議な統一感を醸し出している桐島さんのお家。センスってこういうことですね。
「美意識を持ってものを選ぶ」ことの大切さを改めて感じました。
印象に残ったのは「愛しきわが家こそ豊穣な人生の礎となる」という言葉。私も合理化やミニマリズムに捉われすぎず「愛しい」と思える、自分らしい家を作っていきたい。
薄闇シルエット|角田光代
角田光代さんも好きな作家の一人。薄闇シルエットは2006年の作品です。
主人公は37歳のハナ。大学時代に出会った親友チサトと、下北沢の古着屋を共同経営している(まぁまぁ上手くいっている)。
ある日、年下の恋人に「結婚してやる。ちゃんとしてやんなきゃな」とやや上からなプロポーズ(?)を受けるが、ハナは素直に喜べない。二人で新居探しをしてみるものの、乗り気になれないハナの様子をみて恋人は離れていく…。
チサトとも店の経営指針が食い違っていき、家庭を持つ妹とも些細なことでぶつかる。「手作り信仰(服でもお料理でも何でも自分で作る」)」の母とはもともと折り合いが悪く…どんどん周りから置き去りになっていくハナの葛藤のお話。
ハナは始終「私には何もない(家庭もお金も)」とモヤモヤしているのですが、私はそんなハナにイライラしっぱなしでした、笑。仕事だって家庭だって、努力もしないで向こうから飛び込んでくるものではないよ~!
「積極的に行動しない、自分の環境を受け入れる」というのも一つの生き方として、ありとは思うんですが、じゃぁ自分と他人を比べてうだうだ言わないでよ、と。
物語の終盤、ハナは引っ越し「新居は自分のお気に入りのものしか置かない」と意気込むのですが、結局何も選べず、100均のマグカップを購入する…というのも最高潮にモヤモヤしました。100均で良いのならもっと早く買えばいいのに~。そしてそれが本当に欲しいものだったの?
読み手が37歳より若いかどうか、家庭があるかないか、あと優柔不断なタイプか即決タイプか、で受け取り方が変わってきそうな作品。
あひる|今村夏子
表題作の「あひる」に加え、「おばあちゃんの家」「森の兄妹」の三編が収録された作品集。
あひる以外の2編は主人公は異なるものの舞台や登場人物に接点がある、ペアのような作品です。
三作とも、童話の世界のような趣がありながら、うっすら不気味で心をざわざわさせる今村夏子さんの世界。
勝間式ネオ・ライフハック100|勝間和代
勝間和代さんの新刊。
以前、同著者の「超ロジカル家事」を読んで感銘を受け、ホットクックを購入した経緯があります。
今回は片付け、料理はもちろん思考法や時間管理、お金など多岐にわたる独自のライフハックが100個、紹介されています。
「人生の幸福度を上げて、自由な未来を手に入れよう。」というキャッチフレーズには非常に共感。
が、これは真似できないなぁと思う部分も結構ありました。例えば一日に運動を2~3時間する、ということ。確かに体には良さそうだけど、手が離れない子供がいるうちは無理かも。
家にあるお皿は4枚(来客には紙皿を出す)、食事の味付けは基本的に塩胡椒、メニューもほぼ固定(ベビーリーフのサラダとヘルシオの無水料理)というのも、合理的ではありますがなんとなく味気無さを感じてしまいました。
料理とか食器、インテリアは私の一番ワクワクする趣味であり、工夫してみよう!と意欲的に取り組める部分。楽しみながらやれているうちは、無理に効率化しなくても良いかな~。
「超ロジカル家事」の方が全体的な共感度は高かったです。
一人称単数|村上春樹
村上春樹さんの6年ぶりの短編集。
「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のことだ。しかしその切り口が増えていけばいくほど、「単眼」はきりなく絡み合った「複眼」となる。そしてそこでは、私はもう私でなくなり、僕はもう僕でなくなっていく。そして、そう、あなたはもうあなたでなくなっていく。
「一人称単数」 作品紹介より
主人公の「僕」や「私」の記憶の物語が8編綴られています。
主人公「僕」にはどうしても村上春樹さんを重ねてしまいますが、そういえば村上さん、もう71歳なんですね(主人公は30~40代かな?ということが多い)。どの作品にも、なんとも瑞々しい魅力があり、信じられませんが。
「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」「品川猿の告白」が好きでした。
ここは退屈迎えに来て|山内マリコ
山内マリコさんのデビュー作。
地方都市に生まれた女の子8人の「椎名君」を巡る作品集です。
「椎名君」は作品によってはキラキラ、かっこいい高校生だったり、輝きを失ったおじさんだったり(同一人物の経年変化)。
スポーツ万能で、ちょっと悪い友達とも仲良くしてて、フランクで…みたいなみんなの憧れの男の子、いたなぁとか、東京に憧れてたよなぁ、とか地方都市出身の私にとっての「青春あるある」が詰まっていて胸が苦しかったです、笑。
「椎名君」はどの作品にも出てくるけど、彼を主人公にした作品はなくて、キラキラ男子から普通の中年男子に転落(?)していく彼は何を思っていたのかなぁ…というところも気になりました。
橋本愛さん主演で映画化されていて、「椎名君」は成田陵さんが演じられたよう。
以上、8月の読書記録でした。
余談ですが、先日iPhoneからandroidに機種変更し、気に入っていた読書管理アプリ「ビブリア」が使えなくなってしまいました。とりあえず、定番の「ブクログ」に変更してみましたがおすすめアプリがあれば教えてください(^^)
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